けやきの木の思い出

昭和38年度卒業生(第89期生)

民生委員・児童委員 K.O様

 

 半世紀も前ですが、明化小学校時代に二つの大きな思い出があります。一つは3年生の時に担任の先生が突然に亡くなられてしまい、悲しくてクラス中で大泣きしたことです。そしてもう一つは、ケヤキの木の思い出です。

 当時、校門を入り抜け、校庭に出た所にケヤキの木がありました。大きなその枝は、まるで私たちの登校を迎えてくれるかのように広がり、そびえたっていました。また、校庭で遊ぶ時も中途半端な場所にあり、はびこった根っこにつまずいたりして、邪魔にしてしまったことを思い出しました。その他にも、けやきにつながるいろいろなことがあったかと思います。当時は小学生で、もちろん身体も小さかったこともあり、なおさらに大きく感じられたのかもしれません。

 そのケヤキの木も、樹齢何年かはっきりわからないのですが、私たちの卒業後に枯れてしまったと聞きました。でもその後、卒業生の有志たちが、ケヤキの木が乾くのを待ち、文字を刻み入れ、明化小学校の看板を作り上げてくれたことを聞き、懐かしさと嬉しさで胸が熱くなりました。

 早くも時は平成となり、今年は開校140周年を迎える明化小学校です。現在の明化小学校のシンボルは、ケヤキの木からクスノキに変わりました。正直言って、当時はクスノキの存在を知りませんでした。きっと校庭の片隅で力強く根づいていたのですね。今ではケヤキの木に負けないくらいに立派に大きく成長して、クスノキをモチーフにしたスクールキャラクター(クスノッキ)もあり、子供たちをはじめ多くの人に愛されています。

 入学から卒業までの6年間、先生方のご苦労は大変なことと思います。そのおかげで子供たちは大きく成長して卒業していきます。

今でも年に一度、明化小学校のクラス会があり、みんなケヤキの木は覚えているようです。また幸せなことに、私のまわりには何人ものクラス仲間が住んでいて、一緒にサークルに参加したり、食事会をしたりして楽しんでいます。これも明化小学校時代の思い出が良き思い出になっているからだと改めて明化小学校を卒業したことを誇りに思います。

祝・開校140周年おめでとうございます。これからも明化小学校の歴史を重ね、歩んでくれることを心より願っております。



                                


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